今年も半分を過ぎ、いよいよ暦も7月に入りました。今回は初夏のこの時期に似合うV系ソングを個人的にチョイスしてみました。ヴィジュアル系に「夏」って似合わないイメージですが、探してみると意外にも夏に合う歌あります。「海」や「空」をキーワードに、涼しげな気分になれる曲や幻想的な曲を、幅広い年代からセレクトしています。

DIV「夏の行方」（2012）
ex.xTRiPxの将吾とちょびを中心に結成されたデンジャークルー所属の4人組バンド「DIV（ダイブ）」のファーストシングル。ラウドでエッジの効いたサウンドを背景に、「線香花火」や「ラムネ」といったワードを用いながらも独自の切り口で展開していく歌詞など、新世代のV系サマーソングを代表する一曲です。

シド「夏恋」（2007）
夏の恋をテーマにしたシドの6thシングル曲。アップテンポながらも、ほんのりと切なさの漂うメロディとドラマティックな展開が印象的です。マオの描く等身大の歌詞や、安定感抜群の歌唱力＆声質は他のバンドと一線を画すばかりではなく、V系ファン以外のリスナーも魅了すること間違いありませんね。

メガマソ「星降町にて」（2007）
当時、彩冷える（アヤビエ）を脱退した涼平が中心となって結成されたメガマソの1stシングルです。性別を超越した涼平のヴィジュアルは当時話題となり、バラエティ番組に出演する機会もありました。一度聴いたら耳から離れないスイートな歌詞とメロディアスなこの曲は、晴れた初夏の夜空にぴったりです。

D「真昼の声 〜Synchronicity〜」（2005）
先日、活動休止から復帰を果たしたDのインディーズ3rdシングルです。DはSyndromeの2期メンバーを中心に結成されたダーク＆メタル要素が特徴的なバンドですが、本楽曲は驚くほどキャッチーかつストレートな歌詞が印象的で、まさにヴィジュアル系の王道爽やかソングとも呼ぶにふさわしい一曲です。

ヴィドール「人魚」（2004）
現GOTCHAROCKAの樹威や現Angeloのギルがかつて所属していたバンドで、本シングルは当時KISAKIが設立した事務所UNDER CODE所属時に発売されました。「オカルトロマンス」をコンセプトに、ダークさが売りのバンドでしたが、当時としては弾けるように明るくてポップなこの曲は、人魚をモチーフにした切ない歌詞も相まって初夏の時期にもぴったりではないでしょうか。

Raphael　「Evergreen」（2000）
Raphaelの2000年08月発売となる9thシングルです。10代の甘酸っぱい青春や夏の思い出を綴った歌詞ですが、当時10代でありながらその人生をバンドに捧げていた彼らだからこそ説得力があり、本当の意味でファンと等身大のバンドだったのかもしれません。小細工を必要としない秀逸なメロディラインは彼らの音楽センスの高さを表しています。

ROUAGE「angel-fishの涙」（1998）
名古屋系を代表するバンドのひとつであり、初期は特にダーク＆ハードな印象の強いROUAGEですが、中期〜後期に掛けてはダークな印象も薄れ、ミドルテンポの聴かせる楽曲も多くなります。ROUAGE中期のこの曲は、タイトル通り海の中を漂うような浮遊感とメロウな音に包まれていて、歌詞で描かれている水中の情景を美しく表現しています。

L’Arc〜en〜Ciel「milky way」（1998）
tetsuyaが作詞・作曲を手掛け、同じくtetsuyaがボーカルを務めるP’UNK〜EN〜CIELでもカバーされています。タイトルのmilky way（＝天の川）が表すように、星が輝く夜空を思わせる幻想的で優しい曲です。本楽曲が収録された5thアルバム「HEART」は冬にリリースされたのですが、この曲に関しては今の時期にもぴったりのように思えますね。

La’cryma Christi「南国」（1997）
当時、シャズナ、マリス、FtCと並んでヴィジュアル四天王と呼ばれたLa’cryma Christiの3rdシングルです。「ハイビスカス」「熱帯魚」「赤道」など、南国を連想させるフレーズが随所に散りばめられていて、聴いているだけで南国のリゾート地に出掛けた気分になれます。本シングル以降、With-you、未来航路と立て続けにヒットを飛ばすこととなりました。

SOPHIA「ヒマワリ」（1996）
90年後半〜00年中期に掛けV系シーンで絶大な支持のあった「ソフビ」の元祖とも呼べるバンドがSOPHIAではないでしょうか。デビュー時からカジュアルなファッションとナチュラルなメイクに身を包み、これまでのV系にはない新たなファン層を獲得していました。カッティングのいいアコギの音色と、随所にフィーチャーされたキーボードが優しくも穏やかな気分になれます。